2016-10-4

『伝統に関する商品やサービスを提供する者が知らなければならないこと』

Kyoto Design Factory | カテゴリー: 着物あれこれ

阿吽

一対の鶴を描く場合はくちばしを閉じた鶴と開いた鶴を描くのは
伝統的な決まりごとです。それは阿吽(あうん)を表します。

伝統的なしきたりが伴う場面や用途、
例えば、留袖のデザインや結婚式の引き出物のデザインなど、
ただ単に「鶴を描けばおめでたい」と思うのは、
「間違いではないが、残念である」と言わざるをえません。

日本の伝統は型の伝承です。
様式美として完成された美と、図柄に込められた意味の奥深さを知ることは重要です。

このような日本のデザイン分野の『伝統的しきたり』や『型』を学べる場は、
現代では極めて少ないのが現状です。
最近、呉服業界も「ユーザビリティーの追求」が浸透し、商品開発やデザイン企画の場に、
若い女性の活躍の場が増えてきました。それは、とても歓迎されることではありますが、
その影響として、これまで日本人が継承してきた様式美や型、歴史的背景を無視する
とんでもないデザインが増えつつあります。
それを俳句に例えるならば『無季語』のようなものです。

知識があっての型破りは、イノベーションには必要ですが、
無知、不勉強故の発想は本当に痛々しいです。
センスは、知識がなければ磨かれないことを、知っていただきたいです。

伝統文様研究家
成願義夫